12/16/2008

ゼロ・サム社会 不確実性の時代

(出典) Amazon.co.jp

ゼロ・サム社会 (単行本)

レスター C.サロー (著), 岸本 重陳 (翻訳)

ゼロ・サム社会とはスポーツ試合のように勝者に対しては必ず敗者のいるゲームと化した社会である。ギャンブルでは勝った人間が手にいれるものを、敗者が失われざるをえない。(胴元の手数料は除く)
サロー教授が本書でその理論を提唱して、経済学の世界で認知された。本書は70年代の米国の飽和した先進産業国にゼロサムの徴候を見出し、原著の副題である「分配と経済変化の可能性」で唄っているように、ゼロ・サム社会では仮に社会の経済利得が増加したとしても、それは平均値という統計の示すものであって、富めるものがより豊かに、貧しいものがより貧しくなる事を隠微する危険性を示唆している。

本書は一般市民を読者と想定し、インフレ、低成長、環境などがどうゼロ。サム社会に影響を与えるかという分配の公正性について議論をしている。70年代のアメリカを題材とした翻訳書だけあって、一般書としては決して読みやすいとはいえない。しかしながら、ゼロ・サム社会は米国固有の現象でなく、先進国である日本でもすでに直面している事実である。

各論に関してはインフレが貧しいものにはより負担を強いるものであると結論していて、確かにハイパーインフレを起きたアルゼンチン、韓国ではその事は実証されたとは思うが、デフレの続く日本でも二極化は進んでおり、インフレだけが要因になっているとは言えない。

インフレにととまらず、環境問題も含め、本書の理論予測は今後の日本でもオープンイシュー(解かれていない課題)であるという点で、本書は輝きを失っていない


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不確実性の時代 (1978年) [古書] (-)

ジョン・K.ガルブレイズ (著), 都留 重人 (翻訳)

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