12/18/2008

ゼロ・サム社会 - 予言の書

『ゼロ・サム社会』 レスター・C・サロー TBSブリタニカ 1980年

推薦文: ガルブレイス、サミュエルソン

パラダイムとしてのゼロ・サム・ゲーム


集団(富める人対貧しい人、黒人対白人、男性対女性、農民対都市住民)ごとに相対的所得の違いがあるという問題に、社会は取り組まなければならないが、この問題が提起しているのは、パラダイムとしてのゼロ・サム・ゲームである。ある集団の所得が上昇するということは、すべて、他の集団の相対的所得が減少することである。利得される分は、同額の損失合計と釣り合いが取れる。

万人のための経済成長という考え方では、この問題は解決できない。なぜなら、求められているのは、もっと多くのもの、ということではなく、公平性だからである。しかし、アメリカ社会は、絶対的な公平性を信条とする社会ではない。どの点では公平性の要求が満たされるべきであり、どの点では拒否されるべきか? 要求が入れられたり拒否されたりする場合、どのような原則にもとづくべきなのか? そのような疑問に答えられるようになり、その答えを実行できるようにならなければ、アメリカ社会は停滞してしまうだろうし、同時にまた、集団ごとに分裂してしまうだろう。この問題を避ける道はない。慇懃にこれを無視しても、これを解決することにはならないだろう。


コメント: 

1.アメリカで採用された、分裂の法則は、8:2の法則だ。つまり、2割の勝ち組が8割の所得を得て、8割の負け組が2割の所得を得る。

2.その過程で、マネーゲームが横行した。投機的なマネーゲームは、ロスを生産するだけである。

3.先進国は継続的成長を主張したが、温暖化などの環境問題と、資源の枯渇問題が、継続的な成長に歯止めをかけて、真の意味でのゼロ・サム社会へ突入した。

4.各国の中央銀行は、実体経済を超えて、通貨を市場へ供給した(通貨の鋳造、流通権は中央銀行が持っている。創りたければ、いくらでも「水増しマネー」を創ることができる)。この点に関しては、実体経済の成長と、通貨の流通量を調べれば、中央銀行が行なってきた「水増し」が明らかになる。

提言:

今や、真の意味で、ゼロ・サム社会に突入したことを認識すべきである・・・

そして、継続的な成長をモデルにした市場経済システム自体を修正しなければならない。つまり、ゼロ・サム社会でも通用するモデルにしなければならない。ゼロ・サム・ゲームの中での過当な競争は、互いに殺し合いをすることと同じで、結局は、経済的なムダを発生させる。

グローバルな世界で、役割分担、責任分担などを明確にして、ムダな開発や製造を、できる限り少なくしなければならない。よって、似たような技術を有している企業などは、積極的にパートナーシップ契約を締結して、技術開発や製造のムダを省くべきである。これが、いわゆる、「業界再編」と言われているものである・・・ 業界再編がグローバル・レベルで発生するはずだ・・・


追伸:

「慇懃無礼」に対する「返礼」と何度も言いましたが、結局、この本にも出ていました。
世界が激変しているのに、何もせずに、慇懃な返事を返すだけ・・・ ムダな仕事をしている・・・ 5年間も、この繰り返し・・・ 3年で、景気が回復するわけがない・・・

日本人は、意味を理解できないから、権威付けをしなくてはならない・・・ 今まで、言ってきたことと大差なし・・・ そして、日本人の権威の大半は、サルマネですが・・・ クリエイティブでない・・・ サルマネ お家制度の弊害です・・・



慇懃にこれを無視しても、これを解決することにはならないだろう。



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