No.34
Feeling good
Words by Leslie Bricusse
Music by Anthony Newly
Birds flying high, you know how I feel
Sun in the sky, you know how I feel
Breeze drifting by, you know how I feel
It’s a new dawn, it’s a new day
It’s a new life for me feeling good
Fish in the sea, you know how I feel
River running free, you know how I feel
Blossom on the tree, you know how I feel
It’s a new dawn, it’s a new day
It’s a new life for me feeling good
Dragonfly out in the sun, you know what I mean
Butterflies all having fun, you know what I mean
Sleep in peace when day is done, that’s what I mean
And this old world is a new world and a bold world for me
Stars when you shine, you know how I feel
Scent of the pine, you know how I feel
Freedom is mine, I know how I feel
It’s a new dawn, it’s a new day
It’s a new life for me feeling good
フィーリン・グッド
詩 レズリィ・ブリッカス
訳 あ洋介!
鳥が高々と飛んでいる、わかるだろ、俺の気持ち
空には太陽が輝いている、わかるだろ、俺の気持ち
風がただよっている、わかるだろ、俺の気持ち
それは、新しい夜明け、新しい一日、
新しい人生、俺、最高に気持ちいいよ
海には魚が泳いでる、わかるだろ、俺の気持ち
川は自由に流れている、わかるだろ、俺の気持ち
木には花が咲いている、わかるだろ、俺の気持ち
それは、新しい夜明け、新しい一日、
新しい人生、俺、最高に気持ちいいよ
太陽の下にトンボが現れる、わかるだろ、俺の言いたいこと
蝶々はみんな楽しそう、わかるだろ、俺の言いたいこと
平和な眠りが訪れる、一日の終わりには、そう、それが俺の言いたいこと
そしてこの古い世界が、新しい世界になり、力強い世界になるんだ、俺にとって
輝いてる星々、わかるだろ、俺の気持ち
松の香り、わかるだろ、俺の気持ち
自由は俺のもの、わかるよ、自分の気持ちが
それは、新しい夜明け、新しい一日、
新しい人生、俺、最高に気持ちいいよ
そして、ダニー・ハサウェイの"Someday We'll All Be Free"
Someday We'll All Be Free 4:15 Donny Hathaway Extension Of A Man R&B 10
Flying Easy 3:14 Donny Hathaway Extension Of A Man R&B 4
Valdez In The Country 3:34 Donny Hathaway Extension Of A Man R&B 3
I Love You More Than You'll Ever Know 5:23 Donny Hathaway Extension Of A Man R&B 3
Come Little Children 4:35 Donny Hathaway Extension Of A Man R&B 2
Love, Love, Love 3:26 Donny Hathaway Extension Of A Man R&B 2
The Slums 5:12 Donny Hathaway Extension Of A Man R&B 2
Magdalena 3:08 Donny Hathaway Extension Of A Man R&B 2
I Know It's You 5:13 Donny Hathaway Extension Of A Man R&B 2
Lord Help Me 4:07 Donny Hathaway Extension Of A Man R&B 2
プロローグ
イルカにであう
私はボートで浅い眠りについていた。パーカッションのような大きな
「プフー」
という音で目が覚めて、
しばらく横になって、目を開けたまま耳を傾けていた。イルカの声に違いない。また聞こえた、すぐ近くにいる。塩でべとついたドアを開けて、長さ約十二メートルのカタマラン(双胴船)ノートレック号のデッキに上った。南東方向から涼しいそよ風が絶え間なく吹いて、星がきらきら輝いている。頭上に大きな明るいアーチがかかっているかのようだ。月は細長くゆらゆらと光って波間を漂う。他に光はなく、水面は穏やかだ。潮が停泊中のノートレック号を緩やかに引きつつ、双胴の船体に沿って後方へ流れる。水面をローリングするイルカの銀色の背が、月明かりの下に見える。流れるような一連の動きで、呼吸して水中に潜る。流れ星のようにきらきら光を発して、しぶきを上げながら魚を追って、呼吸のためにふたたび水面に現れる。
かろうじて背ビレが見えたが、上端に切れ目があるのでニッキーだ。筋状の月明かりの波間を通り過ぎて、水面下でロールバックするたびに、銀色の滑らかな肌が輝いて流れ星のように見える。呼吸の仕方や獲物の追い方でニッキーだと分かる。
私は目覚めたばかりなので、頭がうまく働かない。デッキに腰を下ろして、その光景に魅入った。頭上には天の川、下には輝くイルカの流れ星。この壮麗な光景を見ていると、気が遠くなり我を忘れてしまいそうだ。シャーク湾はインド洋に突き出して大きく広がっていて、都市の光源からは遠く離れている。夜空をながめると、星座がゆっくりと回りながら饗宴していて、色とりどりの惑星や、星団や、薄気味悪い星雲などがちらちらと脈打っている。ときおり通過する人工衛星と、流星だけが異質な物体だ。しかし、他は見慣れた夜空の風情だ。ちょうど今、オリオン座が水平線近くにあるので、おそらく午前三時ころだろう。
今夜のようなときは、海は生き物でごったがえしていて、
「ピシャピチャ、バシャバシャ、ザブン、ザブン、スイスイ、ドボン、ドボン」
と騒がしい。
水面下に潜む世界が少しばかり顔をのぞかして、ノートレック号はその世界の真上で座礁しているかのようだ。デッキに腰を下ろしているのは楽しい。暗闇の水面下で動き回るニッキーもそんな感じなのかなと思う。ニッキーにはエコロケーション(反響定位)の能力があり、頭から鋭い音を出して、物体を音で「見分ける」。暗い海中でニッキーの周りを泳ぐ生き物は、ニッキーのエサになる危険が迫っている。でも、ここはシャーク湾だ。ニッキーも同時に危険だ。危害をくわえないサメもいるが、タイガー・シャークのようなサメはイルカを捕食する。毒トゲを持つ派手な色のカサゴや、気味悪く擬態するオコゼや、ウミヘビなども生息している。暗い海を泳ぎまわるイルカには悩みのタネだ。
別の呼吸音が離れた地点から聞こえた。おそらくニッキーの母ホーリフィンだろう。ホーリフィンの旧友パックもいるみたいだ。呼吸音をしばらく聞いていると、ニッキーが母たちのところへ向かうのが分かって、母たちがニッキーを待っているのも目に浮かぶ。ニッキーはホーリフィンの横に滑り込んで、腹を傾けて上手にあいさつする。
ニッキーとホーリフィンは海へ潜って、魚の隠れ家になっている海草の間を探る。私はニッキーをよく知っている。大げさな愛情を示さず賢く真面目で、あまり騒がず内省的にさえ見える。私はニッキーを見ると、自分自身に思いが及んで強い絆を感じる。
レッド・クリフ湾(シャーク湾の中にある小さな湾)に生息するニッキー、その家族、他のイルカたちは、十五年にわたって私の人生の核心になっている。私はイルカと生を共にする特権を与えられて、イルカたちと深い愛情を育んできた。外国を旅していて、思いがけなくエキゾティックで不思議な外国人と出会ったときのように、私はニッキーに熱烈な感情を抱くこともある。私はどうにかこうにかしてイルカとコミュニケーションが取れるだけで、イルカの世界は少ししか理解していない。だが、私とイルカの共通する点と、異なる点を並べると、イルカに親しみを感じると同時に、観察者でしかないという寂しさもわき上がる。イルカと関われば関わるほど、親しみは遠のいていって、外から観察しているにすぎないという思いが強まる。
風にさらされる辺境の海岸で、錨につながれた壊れやすい貝殻ボートに腰をかけていると、自分を取り囲む広漠さを感じてしまう。これは確かな感覚だ。西を向くと広いインド洋を越えて、マダガスカル島とアフリカの東海岸がある。はるか北方にはインドネシアがある。南方には風と波と海だけがあって、北極へと連なる。東方にはモンキー・マイアの小さな漁村があって、その先は数百キロの砂漠、つまり、オーストラリアの未開の地だ。上空は計り知れない宇宙の広がり。
ニッキーたちとの親近感が、この茫漠とした広がりによって深まっている。研究チームのメンバーと十五年以上もイルカを観察して、シャーク湾に生息するイルカのさまざまな生態を発見した。ともかく、シャーク湾に生息するイルカの生態の輪郭は明らかにできた。感覚や、経験や、可能性のすべてをイルカと分かち合えないし、理解もできない。だが、私たちを結びつける単純で血の通った活き活きとした絆が芽生えた。
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