5/01/2011

宇宙とのつきあい方は?

せいぜい、このくらいにした方が良さそう・・・



プロローグ

 イルカにであう

 私は、ボートで浅い眠りについていた。パーカッションのような大きな

プフー

という音で目が覚めて、

しばらくの間、横になったままで、目を開いて、耳を傾けていた。イルカの声に違いない。また、声が聞こえた、イルカは、すぐ近くにいるようだ。塩でべとついたドアを開いて、長さ約十二メートルのカタマラン(双胴船)ノートレック号のデッキに上った。南東方向から絶え間なく、涼しいそよ風が吹いている。星もきらきら輝いている。頭上に、明るく大きなアーチが架かっているように感じる。細長い月が、波間をゆらゆらと漂いながら、輝いている。他に光はなく、水面は穏やかだ。潮が、停泊中のノートレック号の双胴の船体に沿って、後方へ流れていく。ノートレック号は、潮の流れに緩やかに引かれている。水面をローリングするイルカの銀色の背が、月明かりの下に見える。イルカは、流れるように泳いで、呼吸しながら、水中に潜る。そして、流れ星のように、きらきらと光を発し、しぶきを立てながら魚を追い、水面に現れては呼吸する。

 イルカの背ビレが、かろうじて見えた。背びれの上端に切れ目があるので、このイルカはニッキーだ。ニッキーは、細い月明かりの下で、波間を通り過ぎる。ニッキーが、水中でロールバックすると、ニッキーの銀色の滑らかな肌は、まるで流れ星のように見える。ニッキーは、こんな感じで、呼吸したり、獲物を獲ったりする。

 私は、目が覚めたばかりなので、頭がうまく働かないが、デッキに腰を下ろしたままで、その光景を眺めた。天空には天の川、海にはイルカの流れ星。このように壮麗な光景を見ていると、気が遠くなり、我を忘れてしまいそうだ。シャーク湾は、インド洋に突き出していて、その広がりは大きく、都市の光源からは遠く離れている。頭上を見上げると、星座がゆっくりと回っている。色とりどりの惑星や、星団や、薄気味悪い星雲などが、ちらちらと脈打っているのが見える。異質な物体は、ときおり通過する人工衛星と、流星だけだ。しかし、他は、見慣れた夜空の風情だ。オリオン座が水平線近くにあるので、おそらく午前三時ころだろう。

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