VIX(恐怖)指数とは?
昨日のVIX(恐怖)指数 ▼8.35%
これは、投資家心理が好転したことを示すのかな?
と言うことは、本日のVIXは悪化する?
青柳洋介
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米国のサブプライムローンの焦げ付き問題による株式市場の下落で、投資家心理を示す指標とされている「VIX」が現在注目を集めています。今回はこのVIXと株式市場の変遷を辿ってみたいと思います。
VIXとは、「ボラティリティ・インデックス」の略称で、アメリカのCBOE(シカゴ・オプション取引所)が、アメリカの主要株価指数の一つである「S&P500」を対象とするオプション取引の値動きを元に算出・公表しているものです。このVIXは将来の投資家心理を示す数値として利用されており、「恐怖指数」という別名が付けられています。では、なぜこのVIXが「恐怖指数」と呼ばれているのでしょうか。その由来は、この指標の元になる「ボラティリティ」です。
「ボラティリティ」とは、株価の値動きの度合いのことで、株価が激しい値動きをするとボラティリティの数値は高くなる傾向にあります。例えば、5日間で200円上昇する2つの銘柄があるとすると、毎日40円ずつ上昇する銘柄より、100円上昇、50円下落を繰り返す銘柄の方がボラティリティは高くなります。
オプション取引では、株価と同様に理論価格が計算されています。この理論価格は様々な数値を元に計算されるのですが、ボラティリティがその数値の一つとなります。しかし、将来のボラティリティは予測できません。そこで、実際に取引されているオプションの価格から、これを逆算して求めたものを、投資家が予想する将来のボラティリティと考えます。もし逆算されたボラティリティが過去の水準に比べ高くなっていれば、「投資家は将来相場が大きく動くと予想している」と考えることができるので、このボラティリティを用いて算出されたVIXは、投資家心理を表す数値として利用されています。
VIXは相場が大きく上昇する見通しが強まった場合にも数値が大きくなり、相場の先行きに不安が生じた時、顕著に数値が上昇することから、相場の下落時に注目され、投資家の不安を示す数値として「恐怖指数」と呼ばれるようになりました。VIXは通常10~20の範囲内で推移しますが、こういった先行き不安が起こると、大きく上昇します。では実際に、過去のVIXの推移を振り返ってみたいと思います。(チャートと併せてご覧下さい。)
1990年~1999年
1990年代のVIX指数の推移
(クリックで拡大します)
※()内は期間中のVIX最高値(終値)
1.1990年8月
イラク、クウェートに侵攻、翌年1月多国籍軍によるイラク攻撃(36.20)
2.1997年10月
アジア経済不安による株価下落が発生、ニューヨーク証券取引所一時取引停止(38.20)
3.1998年8月
ロシア通貨危機発生、ヘッジファンドLTCM破綻による金融危機(45.74)
2000年代のVIX指数の推移
(クリックで拡大します)
2000年~2007年
※()内は期間中のVIX最高値(終値)
1.2001年9月
米中枢同時テロ(43.74)
2.2002年7月
米企業会計不信問題(45.08)
3.2003年3月
米、イラク侵攻(34.69)
今回、サブプライムローン問題による株価下落により、VIXは8月16日に約4年半振りの水準となる30.83を記録しました。現在、8月20日の公定歩合の引き下げによってVIXは26.33まで低下しましたが、今年2月末の世界同時株安の水準より依然高い状態が続いており、投資家の不安は未だに払拭されていないと言えます。
チャートをご覧になると分かるように、VIXは「恐怖指数」と言う名の通り、相場の上昇時に比べ、下落時に大きく反応しています。VIXはCBOEのサイトでチェックできますので、今後の動向を探る一つの道具として是非参考にしてみて下さい。
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青柳洋介
2008年5月13日 (火) アート & サイエンス | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
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