また、政治家のスキャンダルが続いて、多くの報道リソースがそれに割かれるような事態になっている。以前から言っているように、私は、これらの事象が日本の未来について考える上で本質的なことだとは思っていない。メディアの政治部、社会部のひとたちは、大好物のようだけれども。
政治のリアル・イシューはなんだろう。教育の問題。学力とは何か、大学のあり方はどうあるべきか、入試はどのように変えるべきか。研究と教育を、どのように有機的に融合させるか。教育におけるlanguage policyはどうあるべきか。教育格差の是正。とりくむべきことはいくらでもある。
地方の活性化の課題。インターネットが発達して、情報はどこにでも届き、田舎のゆったりとした空間で暮らしたい、という人は潜在的に多いはずなのに、雇用がない。では、どのようにして仕事を創生できるか。江戸時代には、地方にすぐれた人材がいた。どうしたらそういう日本になれるだろう。
経済において、イノベーションはどう起こしていけばいいのか。日本は、これから、何で「食って」いくのだろう。燃料輸入が増えている影響があるとは言え、貿易の赤字が続く。かつての輸出大国日本は過去の話。日本人の技術力、イノベーション力は落ちてしまってはいないか。
東京オリンピックに向けて、外国の方にもっと日本に来てほしい。そのための課題は何か。交通網、宿泊施設、飲食店などを外国の方の目から見たら、果たしてわかりやすいか、使いやすいか。もっと日本人が英語をしゃべれるようになるには、どうすればいいだろう。観光大国への道。
グローバル化の中の、日本人のアイデンティティの問題。自らの文化や、歴史についての理解、プライドがなかったら、根無し草になってかえって妙な排外主義が出てくる。どれくらい自分たちの文化の素晴らしいところを知っているか。教育で、どのようにそれを子どもたちに伝えていくか。
政治のリアルな課題が山積する中、メディアがスキャンダル報道に熱中するのは、残念ながらその方が視聴率が上がる、部数が上がると思っているからだろう。消費者の側にも問題があるが、一方で、本当の問題はそこにはないとわかっている人は、たくさんいるはずだ。メディアの中にも。
人間は、本当の課題に取り組んでいるときは、すがすがしい気持ちになるが、些末なことを、商売になるからと大々的に取り上げているときは、どこか後ろめたい気持ちになるものだと思う。メディアの方には、ぜひ、すがすがしい気持ちで仕事をしていただけたらと、心から願うものである。
以上、連続ツイート1347回「すがすがしい気持ちで、仕事を」のテーマで、8つのツイートをお届けしました。