海老蔵が起こした問題 は? どこにでもある ・・・ 帝国民の矛盾 - Dr.鏡
最後は、止水鏡明
鏡よ、鏡よ、鏡さん・・・
あなたは、だあれ? - Dr.鏡
帝国民的遅れた青年社会で起きた暴行事件
ある意味で、相撲部屋や体育会の中で起きているリンチ事件の一種
海老蔵が手下の飼い犬をイジメた
飼い犬の後輩が見るに見かねて、海老蔵に鉄拳制裁を加えた
それだけの話、帝国民的暴行事件、リンチ事件
つまり、ホンネとタテマエが壊れた
つまり、世間体と内情が大きく「ずれ」ている・・・
つまり、広域暴力団は暴力を飯のタネにしているが、合法的に存在している
参照)大江健三郎の遅れてきた青年
しかしそれはこの作品が歴史の中で忘却されていいということだろうか?当時の青年たちの抱えていた(もしかした今もなお抱えているかもしれない)喪失感をもっともグロテスクな、しかしそれ故に切実な形で表現しているこの作品が忘れ去られてもいいということだろうか?それは僕にもわからない。もしかしたらそうなのかもしれない。だがもしそうであったなら、こんなに痛ましいことはない。そこには流れ行く時代特有の痛ましさがあるのだから。
ただ一縷の望みもある。それは大江氏の作家(story tellerというよりはauthor)としての優れた資質に他ならない。僕には彼の才能が政治的な問題のために過小評価されている気がしてならない。もし百年後、真っ当な評論家がそうした時代のしがらみに囚われず彼の作品群を評価してくれれば、と僕は夢想する。
当時青年であった人も、今青年である人もこの作品を一度手に取って読んでください。主人公の抱える喪失感は確かに時代特有のものに違いない。しかし現代という時代が、或いは人類の歴史そのものが、何らかの意味で喪失という痛みを抱え続けるのならば(僕はそうであってほしいと願う)、大江氏のこの作品は輝きを放ち続けるはずなのだから。
参照)三島と沼
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