鎖国指向的な自給自足政策では、財政赤字を解消するのに、とてつもない苦労をする。
日本は資源がない国。あるとすれば、水と緑くらい? 最大の資源は人?
その中で、生産的なもの、つまり、成長できるものは、従来からある漁業、農業、林業などである・・・ 要するに、自然の恵とその利用が生産の源泉である。
これで、財政赤字を返そうとすると、とてつもないくらい長い期間が必要である。
よって、貿易を活発化させ、その過程で発生する生産により、外貨を獲得して、財政赤字を補填する。自給自足的な考えで、税金を上げるだけでは、経済が疲弊して、逆に破産しやすい。
つまり、成長戦略の例としては、
1.観光立国(外国人観光客)
日本へ来てもらい、交通機関や宿泊施設を利用してもらう。そして、食事や娯楽を楽しんでもらう。それにより、日本は利益を上げることができる、。
日本人による国内観光だけでは、自らの資源を自ら消費するだけ。借金の返済には大して役に立たない。日本人による国内娯楽も同様です。観光や娯楽の資源となるマネーをだれが稼ぐか・・・ 自給自足的な政策では、生産的なものは自然の恵。農業、漁業、林業などが、消費するためのマネーのベースになってしまう。
2.加工貿易モデル(工業化)
日本は、開国以来、加工貿易モデルで発展した。つまり、資源を外国から輸入し、技術や技能を使って、商品に付加価値を付けて、輸出することにより、外貨を獲得してきた。だが、低コストの労働力を背景にして、日本国内から、中国やベトナムなどの発展途上国へ生産のシフトが起きた。いわゆる、工業の空洞化と呼ばれるもの。
加工貿易モデルが成立するとすれば、高コストの労働力でも、製品価値が発生するような商品。つまり、メイド・イン・ジャパンの威力。高度な技術や技能を要求される商品で、海外生産ではムリがあるもの。
例:
高級自動車、高級電気製品、高級精密機械、高級衣料品、特殊な技能で生産される部品や金型など・・・
この生産活動などに携わることができる人数はそれほど多くはないはず・・・
3.生産をベースにした技術開発および技術販売サイクル
技術開発を行ないながら、工場で生産して、製品の価値を高める。そして、レガシー技術(一世代、二世代前の技術)は外国へ売り、レガシー技術に基づく生産を海外へシフトする。これに際しては、人の移動も伴う。技能を持っている職人さんなどは、マイスターとして、技術指導などをする。
技術開発、レガシー技術のシフト、このサイクルを循環させる。
よって、日本の生き残りのカギは、技術開発と技能向上である。
つまり、日本は、技術開発に基づいた生産拠点という位置づけになる。レガシー技術は労働コストが低い発展途上国へシフトするのが自然。
レガシー技術にしがみついて、中国やベトナムなどを批判しても無意味である。
そして、そのカギとなるものは、フェア・プレー、フェア・ポリティクス、フェア・トレードだと思う。
青柳洋介
よって、成長戦略のキーワードは、”クリエイティブ”。つまり、新たなビジネスを生み出すことだと思う。
省エネビジネスなどは、最良の例だと思う。
追伸:
放送や通信については、システムを輸出するという考えが大事なのでは? ムダのない効率的な放送・通信システムを輸出する。
交通・物流システムも同様なのでは? 医療システムも同様なのでは?
安心・安全も輸出の重要な要素だと思う。
注)文化の輸出について
J-POPやアニメなどで、特に、アジア方面で売れているものは外貨を獲得している。逆に、欧米で売れるようなものは数が少ない・・・ マンガやアニメは売れているんだっけ?
アジアの中で、逆輸出できたもの例としては、香港カンフー映画がある・・・
そのようなものは、日本では数少ない。残念ながら・・・ 欧米から文化を輸入して、日本でアレンジして、発展途上国へ輸出するような仕組み。欧米に逆輸出するのは、かなり高い障壁があると思われる。
伝統工芸品などの中には、欧米へ逆輸出できるものもありそうな気がするが・・・
特に、ヨーロッパへの輸出は相当に壁が高い。アメリカのディズニーランドやフットボールなどの輸出でさえ、ヨーロッパでは成功しなかった。
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