日本各地で、悪魔のはらわたが出てきた

“官製ＩＴ企業”解散相次ぐ

11月17日 18時56分  

国がＩＴ技術者を養成するために、特別会計から出資して全国に２０社設立した“官製ＩＴ企業”が、経営の悪化などでこれまでに５社が解散し、ほかの１０社もあわせて２６億円に上る累積赤字を抱えていることがＮＨＫの調べでわかりました。自社ビルの建設に過大投資をしたことなどが負担になったもので、専門家は「ＩＴの分野でも典型的なハコモノ行政があったということで、計画などを詳しく検証すべきだ」と話しています。

国は、ＩＴ技術者の養成のために、平成元年から６年にかけて、官製ＩＴ企業の「ソフトウェアセンター」を全国に２０社設立しました。特別会計から１社当たり４億円、総額８０億円を出資したほか、地元の自治体や企業からも出資を募って設立されたものです。ＮＨＫが調べたところ、平成１５年からこれまでに、三重、高知、長崎、京都、新潟の５府県のソフトウェアセンターが相次いで解散し、出資金が回収できなくなるなどしていたことがわかりました。残りの１５社も、１０社があわせて２６億円を超える累積赤字を抱え、中には解散を検討しているところもありました。経営圧迫の原因は、人材育成事業の伸び悩みに加え、テナントの賃貸事業を行うための自社ビルの建設が負担になったためだということです。このうち、長崎ソフトウェアセンターは、国や県などが出資して設立されましたが、１１億円余りで建設したビルが負担になって累積赤字を抱え、３年前に解散しました。ビルは民間企業に売却しましたが、価格は１０分の１以下の１億円で、出資金は回収できなかったということです。また、さいたまソフトウェアセンターも、２０億円に上るビルの建設費が負担となって累積赤字を抱え、県は会社の整理を前提に検討を進めています。これについて、経済産業省情報処理振興課の東條吉朗課長は「民間では実行しにくい事業に国や自治体がてこ入れしたことは理解してほしいが、赤字がたまっている会社が少なからずあることは遺憾だと思っている」と話しています。この問題について、公会計が専門の青山学院大学大学院の鈴木豊教授は「ＩＴの分野でも典型的なハコモノ行政があったということだ。多額の税金が投じられたのだから、事業を推進した国は、計画が正しかったかなどをより詳しく検証すべきではないか」と話しています。

小学生自殺 第三者委で調査へ

11月17日 19時34分  

先月、群馬県桐生市で小学６年生の女の子が自殺したことについて、市の教育委員会は、第三者委員会を設置して学校でのいじめと自殺との関連について調査することを決めました。

先月２３日、群馬県桐生市の小学６年生、上村明子さん（当時１２歳）が自宅で首をつって自殺しているのが見つかりました。学校は、これまでの調査の結果、明子さんへのいじめがあったことを認める一方で、自殺との関連については特定できないとしています。これについて桐生市教育委員会は、１７日、臨時会を開き、今後の調査の進め方について話し合いました。会では、委員から「再発防止のためにも時間をかけて調査をする必要がある」とか、「中立的な立場からもっと調査を深めてほしい」といった意見が出ました。これを受けて、市の教育委員会では、中立的な立場の第三者による調査委員会を設置して引き続き調査することを決めました。市の教育委員会によりますと、調査委員会のメンバーについては、これから検討するということですが、弁護士や医師などを想定しているということです。また、調査結果については、できるだけ早くまとめたいとしながらも具体的な公表時期については、今後、決めるとしています。桐生市教育委員会の鈴木正三教育委員長は「できるだけ早く委員会を立ち上げ、より深い調査を目指したい」と話しています。

兵庫 夫婦殺害は複数の犯行か

11月17日 21時19分  

兵庫県西宮市の建築設計事務所で経営者夫婦が殺害された事件で、室内から検出された血の付いた足跡の中に被害者以外のものが２種類あることがわかり、警察は、複数による犯行の可能性があるとみて、捜査しています。

今月１２日、西宮市の建築設計事務所で、事務所の経営者で建築士の水田実さん（６２）と妻の輝子さん（６２）が、刃物で刺されて殺害されているのが見つかりました。２人が倒れていた事務所や車庫の中には大量の血が残されていて、警察が、検出された血の付いた足跡を分析したところ、被害者のものではない足跡が２種類あったということです。警察は、複数による犯行の可能性があるとみて、夫婦が殺害されたとみられる今月８日の夜に不審な人物が目撃されていなかったかなど捜査しています。また、事務所の前の歩道に残されていた血の付いた足跡と、室内で見つかったものが一致するかどうかについても分析を進めています。

中学生自殺 いじめが原因か

11月17日 22時18分  

今月１４日、千葉県市川市で、中学２年生の男子生徒が自宅で首をつって死亡しているのが見つかりました。学校が、いじめについて行ったアンケートで、男子生徒が「いじめられている」と答えていたことから、市の教育委員会では、いじめが原因で自殺した可能性も否定できないとして調べています。

今月１４日、市川市の中学校に通う２年生の男子生徒（１４）が、自宅で首をつって死亡しているのが見つかり、遺書はありませんでしたが、状況から、警察は自殺したものとみています。市川市教育委員会は、１７日夜に記者会見をして、これまでのいきさつなどを明らかにしました。それによりますと、男子生徒は、今月１日に学校がいじめについて行ったアンケートで、「１０月に入っていじめられたことがある」と回答していたということです。また、「悪口を言われた」とか「物をかくされた」などのいじめを受け、「現在も続いている」としていたということです。その４日後に担任が聞き取ったところ、いじめた側として、別のクラスの生徒の名前をあげたため、学校が対応に当たろうとしていたということです。アンケートは、学校が年２回行っているもので、男子生徒は以前にもいじめられたことがあると答えていたということです。ことし９月には、保護者から学校側に対して「学校に行きたがらないので注意して見てほしい」と連絡があったということです。市川市教育委員会の古山弘志学校教育部長は「いじめがあったという事実が確認されたので、しんしに受け止めたい。いじめが原因だった可能性は否定できず、何が原因だったのかなど、詳しく調べたい」と述べました。市川市教育委員会では、１８日に市内の小学校や中学校の校長を集めて緊急の会議を開くことにしています。

建築士夫婦殺害 参考人が死亡

11月18日 0時8分  

兵庫県西宮市の建築設計事務所で経営者夫婦が殺害された事件で、警察が参考人として話を聴こうとしていた男性が、１７日夜、自宅があるマンションから飛び降りて死亡しました。男性の部屋からは火が出て、妻とみられる女性も死亡していて、警察は男性が無理心中を図ったとみて調べています。

今月１２日、西宮市の建築設計事務所で、経営者で建築士の水田実さん（６２）と妻の輝子さん（６２）が刃物で刺されて殺害されているのが見つかりました。これまでの調べによりますと、２人は、今月８日の夜に殺害されたとみられ、輝子さんの携帯電話には「８日に必ず行く」と話す男性の声が録音されていました。このため兵庫県警察本部は、通話相手の大阪・西淀川区の６１歳の男性を特定して、「話を聴きたい」と連絡し、１７日夜、参考人として、捜査本部がある甲子園警察署に来ることになっていましたが、男性は午後７時すぎ、自宅があるマンションの６階から飛び降り死亡したということです。さらに男性の部屋からは火が出て、妻とみられる女性が死亡しているのが見つかりました。女性の首には絞められたような跡があったということです。警察は、男性が妻を殺害して、自宅に火をつけたあと、飛び降り自殺したとみて調べています。

山口組のナンバー２に逮捕状

11月18日 0時8分  

指定暴力団、山口組を実質的に取りしきっているナンバー２の幹部が、土木工事などに絡んで、あわせて４０００万円を脅し取った疑いが強まったとして、京都府警察本部は、恐喝の疑いで逮捕状を取りました。所在が確認できしだい逮捕する方針です。

逮捕状が出ているのは、山口組のナンバー２で、名古屋市に本部がある傘下団体「弘道会」の会長、高山清司容疑者（６３）です。京都府警察本部の調べによりますと、高山容疑者は、平成１８年までの２年間に、土木工事などに絡んで、関係者の男性から現金あわせて４０００万円を脅し取ったとして、恐喝の疑いが持たれています。警察は逮捕状をすでに取っていて、所在が確認できしだい逮捕する方針です。高山容疑者は、山口組では６代目組長に次ぐ若頭と呼ばれる立場にあり、組長が銃刀法違反の罪で服役中のため、現在、山口組を実質的に取りしきっています。警察庁は、６代目組長が来年刑期を終えることなどから、活動を活発化させるおそれがあるとして、全国の警察に徹底した摘発を指示していました。