労働集約型産業で、高度成長時代
春闘の賃上げ 30%
専門家 「中国は今後5年間、賃金増加が引き続き加速」
中国人民大学経済学院は今フォーラムにおいて、「賃金形成メカニズムの変革下における市場誘導型経済構造調整--その契機、方法、政策」と題する中国マクロ経済報告を発表した。
報告によると、中国のローエンド労働力市場には今年、以下のような一連の大きな変化があったという。
▽出稼ぎ農民を代表とするローエンド労働力の賃金が上昇し、その増加スピードは都市部の労働者の賃金上昇幅を上回った▽経済の回復に伴い、「出稼ぎ農民の大規模な帰省」に代わって「労働者不足」が顕在化し、労働力の供給はすでに「総量の過多」から、「構造的な過多」に変化した▽各民営・外資系企業は大幅に賃金を上げ、各級政府は最低賃金基準を大幅に高めている▽「労働者と企業」の衝突がさらに激しくなり、ストライキが頻繁に発生している--。これらの現象は、中国のローエンド労働力に構造的な変化が訪れたことを説明している。ローエンド労働力における賃金形成メカニズムの変革は、ミドル・ハイエンド労働力市場の労働関係と賃金形成メカニズムの変革につながる。
報告はまた、▽中国における労働力市場効率の向上▽住民の可処分所得の割合の大幅な低下▽中国の高い貿易依存度--などの条件がある限り、今後の賃金増加の加速は短期的には中国製造業の全体的な競争力に影響を与えないし、インフレのプレッシャーになることもなく、中国マクロ経済の安定にも影響しないだろうとの見方を明らかにしている。さらに重要なのは、このことは現在存在している様々な構造的問題を変化させるのにつながる、ということだ。中国のローエンド労働力における賃金形成メカニズムの変革は、市場誘導型経済構造調整の重要な支点となり、中国の経済構造調整に新たな契機をもたらし、新段階が訪れるだろう。
今後の賃金増加がいかなる影響をもたらすかについて、中国人民大学の林崗副校長は、「賃金の増加は企業の運営コストを増加させるが、マクロ経済・国民経済の角度から見れば、大きな長所がある。第一に内需を拡大できる。次に、労働力と資本の中西部への転移に役立つ。最後に、資本を労働と引き換えにすることで、資金集約型又は技術集約型の産業発展を促進でき、産業構造のアップグレードを促進し、企業の技術レベルの向上につながる」と述べている。(編集SN)
「人民網日本語版」2010年9月28日
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