あるいは、エントロピー増大の法則です・・・
E=MC2
エネルギー=物質=波
つまり、これらが、宇宙の四次元時空を構成している・・・
われわれは、地球の重力場と電磁場に拘束されている・・・
よって、地球から、脱出することは、地球上の生命体でなくなることを意味する・・・
つまり、宇宙ステーションに留まる期間も、限界があるはず・・・
地球の重力場と電磁場は?
4っつの力と、エネルギー=物質=波から構成される複雑系の運動によって、生々流転している・・・
4っつの力とは?
重力、電磁力、強い核力、弱い核力である・・・
重力は質量に比例し、つまり、その物質が持つエネルギーに比例している・・・
核力はその物質を構成している素粒子の運動から発生するのかも?
電磁力は波である・・・
細かい話は、理論物理学者にお任せします・・・
これを追求していくと、結局は、素粒子は確率的にしか捉えられない、不確定性原理になる・・・
よって、微細化の限界はこのポイントである・・・
物質波、光は電磁波であり、フォトンである・・・
現時点で確認されている最小質量の謎の物質こそ、ニュートリノ、中性微子じゃないの?
つまり、マクロの限界は? 地球の重力場、電磁場からは逃れられない、これが、成長の限界でもある・・・
つまり、ミクロの限界は? ニュートリノ、中性微子の存在である・・・
中性微子こそ、スターダスト、これより質量の小さい物質を発見したとしても、大勢に影響はないはず・・・
ニュートリノは、地球の重力場、電磁場に束縛されずに、地球を貫通するようだ・・・
質量の大小は無視して、陽子のダストが電子、中性子のダストがニュートリノなのかも?
同位体、アイソトープは? 原子番号が同じで、つまり、陽子の数が同じで、中性子の数が異なるものだっけ?
原爆に使うウラン235は特異な物質で、かつ、不安定な物質である。これに、中性子を吸収させると、核分裂反応が起きる。
ウラン原子は大変不安定になり、二つの原子核と幾つかの高速中性子に分裂する。
核分裂片ともいう。 通常は二等分になることはなく、一方が重く(質量数140程度)、一方は軽い(95程度)核になる。これは、分裂するときに魔法数(まほうすう)に近い安定な原子核になろうとするためだと解釈されている。
質量欠損の実体は、
特殊相対性理論の帰結である質量とエネルギーの等価性
E = mc2 で質量に換算される原子核内部の核子の結合エネルギーに他ならない。よって、分裂前と分裂後の質量の差は結合エネルギーの差であり、核分裂を起こすとこの質量の差に相当するエネルギーが外部に放出される。上記の過程の質量差をエネルギーに換算すると、ウランの核分裂反応で放出されるエネルギーはウラン原子一つあたり約200
MeVとなり、ジュール
Jに換算すると3.2×10
-11Jとなる。1グラムのウラン235の中には、2.56×10
21個の原子核を含むので、1グラムのウラン235が全て核分裂を起こすとおよそ8.2×10
10Jのエネルギーが生まれる事になる。
核分裂生成物は様々な核種の混合物であるが、総じて陽子数と中性子数との均衡を欠いており放射能を持つ。これらの放射性同位体は、陽子と中性子の均衡が保てるところまで放射壊変(主にベータ崩壊)を繰り返す。これらの半減期は様々で、1秒も経たないうちに崩壊するものもあるが、数日 - 数ヶ月に達する、やや長い半減期を持つものがある。それらは核分裂が起きた地点やその周囲にしばらく残留するため、その地域に立ち入った人間が吸い込んだり触れたりして被害を受けることにつながる。
至る所で放射されるガンマ線にさらされていた。アルファ線やベータ線なら厚手の衣服で遮断することも可能であるが、ガンマ線は衣服を透過できるため、深刻な被害につながった。原爆が投下されたのは夏の真っ盛りであり、薄手の衣服しか着用していない状況では、露出した皮膚がアルファ線やベータ線の直撃を受けたことも被害拡大の一因となっていると考えられる。
この質量差を質量欠損と呼ぶ。質量欠損の実体は、特殊相対性理論の帰結である質量とエネルギーの等価性 E = mc2 で質量に換算される原子核内部の核子の結合エネルギーに他ならない。よって、分裂前と分裂後の質量の差は結合エネルギーの差であり、核分裂を起こすとこの質量の差に相当するエネルギーが外部に放出される。
この中性子が別の核分裂性物質の原子核に吸収されれば連鎖反応が起こる。また、この崩壊過程は発熱反応である。この連鎖反応と発熱反応の性質を利用して一度に大量の熱を生成する事が出来る。これが原子力発電や原爆の基本原理である。
核融合とは
核融合とは、21世紀半ばの実用化を目標に世界的に開発が進んでいる新しいエネルギーです。最近ナトリウム漏れを起して皮肉な形で有名になってしまった「高速増殖炉」と「核融合炉」を混同している方も時々いらっしゃるのですが、これらはまったく別のもの。太陽はもちろん、宇宙に輝くすべての天体は、水素、ヘリウムなどの核融合エネルギーで輝いています。核融合炉は、現在の原子炉のような高レベル核廃棄物を出さない人類究極のエネルギー源。核融合炉ができれば、核拡散問題からも、使用済み核燃料からの高レベル放射性廃棄物からも、開放されるでしょう。但し実用化にはまだまだ時間がかかります。しかし、「地上に太陽を!」という夢は、きっといつか実現するでしょう。
高速増殖炉は核分裂炉 高速増殖炉は、今動いている原子力発電炉と同様、核分裂を使う原子炉で、プルトニウムが燃料。まもなく実用化されるレベルにあります。核分裂では、分裂後は色々な元素ができます。何が出来るか分からないところが欠点です。つまり、その中には強い放射性の元素もあります。ウランやプルトニウムに中性子が当たると超ウラン元素というものもできます。これも非常に強い放射性元素です。これらが使用済核燃料からの高レベル放射性廃棄物となり、長期(数万年)に渡る安全な管理が必要になります。
現在の原子炉は極めて安全に設計されており、核分裂を用いた原子炉そのものは決して危険ではありません。そして、核分裂エネルギーは、もし核融合炉が実現しないなら、人類のエネルギー源として必須です。しかし、核分裂を使えば、上記高レベル廃棄物が大量に発生し、その管理を将来世代に押し付けることになるは避けられません。この問題のブレークスルーとなりうるのが核融合炉なのです。
核融合炉の燃料は、ウランでもプルトニウムでもなく、水素です。反応そのものは太陽の中で熱を出している現象と同じなのです。
核分裂の時と異なり、核融合でできるものは決まっていて、安全なヘリウムです。風船に使われるあれです。中性子も出るので、炉心内部は放射化されますが、これは開発中の低放射化材料で解決するはずです。つまり、核分裂では反応そのものが高レベルの放射化物を作ってしまいますが、核融合はそうではありません。発生する中性子の処理さえ工夫すれば、放射性廃棄物のレベルは大きく下げられるのです。通常のステンレスで核融合炉を作った場合にはかなり高いレベルの放射化物ができます。この点を核融合の致命的欠点かのように誇張して反対されることがあるのですが、それは不合理な見解です。初代の飛行機が木製だったのを取り上げて、耐久性がないことを致命的と指摘しているようなものといえます。材料の開発は時間がかかりますが、低放射化材料はすでに開発中で、照射試験を繰り返しています。核融合炉が実現するまでには必ずできるのです。そのようにスケジュールが組まれています。
核融合の燃料、重水素(普通の水素の2倍の重さの水素)は海の中に無尽蔵です。初代の核融合炉は三重水素も使いますがこれはリチウムから核融合炉の中で自己生産します。携帯電話の電池でもお馴染みのあのリチウムです。リチウムは、当面はリチウム鉱として十分な量がありますし、海の中には無尽蔵です。だから核融合炉の燃料はすべて海にあるのです。資源に乏しく、海に囲まれた日本において核融合炉が特に期待されるのはこのためです。 海水から重水素を取り出すのに非常に大きなエネルギー(主に電気分解ということらしい)が必要であるとか、取り出すよい方法がない、などとおっしゃる方がいらっしゃいます。これは完全な誤りです。海水からの重水素製造はとうの昔に工業化されており、その分離にエネルギーはほとんど必要ないのです。もちろん水を電気分解などはしません。化学反応の反応速度の差を利用します。リチウムの回収に関してもすでに技術は存在しております。ただし、鉱山からのリチウムの2倍程度のコストがかかると思われるので、鉱山からのリチウムがなくなるまでは誰も今すぐ工業化しようとは思わないだけです。なお、核融合の燃料費は安く、運転費全体で大きな割合を占めないので、もしリチウムの価格が2倍になっても、発電コストにはほとんど関係ありません。
すなわち、核融合炉が完成すれば、プルトニウムの核拡散問題や、高レベル放射性廃棄物から開放されます。地球温暖化の原因となるCO2も発電中に発生しません。太陽光発電などの自然エネルギーはもちろん期待されますが、それだけでは天候などによる変動が大きすぎます。それらと核融合との組み合わせで21世紀の電力を供給するのが理想の姿であろうと考えます。
核融合といえども核エネルギーなので嫌う方もいらっしゃいます。そんなものを使うより節電を考えよとも言われます。しかし、われわれが節電するのは当然としても、今後の発展途上国の高度化によりエネルギー消費が爆発的に増えることは絶対に避けられず、現状技術だけでは、エネルギー不足か、CO2による地球温暖化か、高レベル核廃棄物の大量蓄積か、のどれかがわれわれを襲ってくることからは逃げられないのです。未来に責任を持つためには、なにか新技術が必要なのではないでしょうか。われわれはなにかするべきです。
核融合は、もはや単なる夢ではありません。50~60万kWという中型火力発電所並みの熱出力をもつ実験炉ITER(International Thermo Nuclear Reactor)を世界的な協力体制で数年以内に建設を開始しようとしています。発電の基礎試験も可能です。5000億円といわれる建設費の分担について、日本、米国、EU、ロシアに最近参加した中国と韓国を加えて、国際交渉が行われ、建設地をフランス・カダラッシュに決定し、建設を開始しようとしています。
ITERの鳥瞰図(核融合学会誌Iより)
第一世代の核融合炉は、燃料に放射性物質であるトリチウムを使用するので、核分裂炉からの核廃棄物よりは遥かにましとはいうものの、完全なクリーンエネルギーとまでは言えません。また実験炉であるITERにおいては、低放射化材料の建設許認可に関連するデータがまだ不充分であることから、通常のステンレスが選択されました。したがって、ITERの放射性廃棄物は、通常の原子炉とあまり変わらぬほど出てしまうといわれます。これは事実なのですが、決して核融合炉の不可避な性質なのではないのです。次のデモ炉においては必ず低放射化材をつかうことになります。また、核融合は、その将来においては、燃料を変えていくことで完全に放射能と縁が切れ、真のクリーンエネルギーとなる可能性もあります。そして、その実現にはまず第一世代の炉を建設しなければなりません。それゆえ、実験炉ITERの建設と成功が今もっとも重要なのです。なお、ここで述べた見解は、開発スケジュールなどの明らかな事実を除き、あくまで私個人の見解であることを申し添えておきます。また、核融合炉はまだ開発途上であり、核融合や太陽光発電があるから核分裂原子炉はもう必要がない、などと考えるのは現実的ではありません。しかし、未来に希望の光はあるということです。
2005-7-20、ITER交渉の結果を反映して加筆修正
---Wiki
不安定核は主に次の3つの過程を経て別の原子核に変わる。
- 電子もしくは陽電子を放出して僅かに軽い核になる。
- He核(アルファ粒子)を放出して少し軽い核になる。
- He核より重い大きな核(重荷電粒子線)を一つ以上放出してかなり軽い核になる。
このうち 1, 2 は一般には
原子核崩壊(それぞれ
ベータ崩壊、
アルファ崩壊)といい、この核崩壊を起こす原子核は
放射線を出す能力を持つ(
放射能)。原子核分裂というと 2, 3 になるが、一般的には 3 の事を指す事が多い。
核分裂性物質の原子核が中性子を吸収すると、一定の割合で3の過程で核分裂を起こし、合わせて中性子を放出する。この中性子が別の核分裂性物質の原子核に吸収されれば
連鎖反応が起こる。また、この崩壊過程は発熱反応である。この連鎖反応と発熱反応の性質を利用して一度に大量の
熱を生成する事が出来る。これが
原子力発電や
原爆の基本原理である。
ウラン原子の核分裂 [編集]
天然ウランには、核分裂を簡単に起こすウラン235と起こさないウラン234、ウラン238が含まれている。ウラン235に中性子を一つ吸収させると、
ウラン原子は大変不安定になり、二つの原子核と幾つかの
高速中性子に分裂する。
代表的な核分裂反応としては下記のようなものがある。
上式で元素記号の左肩に示した
質量数は
原子核の中に存在する
陽子と
中性子の和であり、右辺と左辺の
核子数は等しいことがわかる。しかし、実際の原子核の質量は一般に陽子と中性子の質量の総和よりも小さい。この質量差を
質量欠損と呼ぶ。質量欠損の実体は、
特殊相対性理論の帰結である質量とエネルギーの等価性
E = mc2 で質量に換算される原子核内部の核子の結合エネルギーに他ならない。よって、分裂前と分裂後の質量の差は結合エネルギーの差であり、核分裂を起こすとこの質量の差に相当するエネルギーが外部に放出される。上記の過程の質量差をエネルギーに換算すると、ウランの核分裂反応で放出されるエネルギーはウラン原子一つあたり約200
MeVとなり、ジュール
Jに換算すると3.2×10
-11Jとなる。1グラムのウラン235の中には、2.56×10
21個の原子核を含むので、1グラムのウラン235が全て核分裂を起こすとおよそ8.2×10
10Jのエネルギーが生まれる事になる。
核分裂生成物 [編集]
核分裂の過程で原子核が分裂してできた核種を
核分裂生成物 (fission product) という。核分裂片ともいう。 通常は二等分になることはなく、一方が重く(質量数140程度)、一方は軽い(95程度)核になる。これは、分裂するときに
魔法数(まほうすう)に近い安定な原子核になろうとするためだと解釈されている。
核分裂生成物がどの核種になるかはある確率で決まる。この確率を収率 (yield) という。核分裂する核種によって異なる収率分布をもっているので、核分裂生成物を分析すれば核反応を起こした核種が判る。
核分裂生成物は様々な核種の混合物であるが、総じて陽子数と中性子数との均衡を欠いており
放射能を持つ。これらの
放射性同位体は、陽子と中性子の均衡が保てるところまで
放射壊変(主に
ベータ崩壊)を繰り返す。これらの
半減期は様々で、1
秒も経たないうちに崩壊するものもあるが、数日 - 数ヶ月に達する、やや長い半減期を持つものがある。それらは核分裂が起きた地点やその周囲にしばらく残留するため、その地域に立ち入った人間が吸い込んだり触れたりして被害を受けることにつながる。
第二次世界大戦末期に
広島市と
長崎市に
原子爆弾が投下された後、
家族や知人の行方を捜すために被害地域に立ち入った人々が重篤な
放射線障害を受けたひとつの要因に、
煙や砂塵とともにやや長い半減期を持つ核分裂生成物を吸入したことが挙げられる。さらに、直接体内に取り込まれなくても身体の周囲には大量の核分裂生成物が存在し、至る所で放射される
ガンマ線にさらされていた。
アルファ線や
ベータ線なら厚手の衣服で遮断することも可能であるが、ガンマ線は衣服を透過できるため、深刻な被害につながった。原爆が投下されたのは夏の真っ盛りであり、薄手の衣服しか着用していない状況では、露出した
皮膚がアルファ線やベータ線の直撃を受けたことも被害拡大の一因となっていると考えられる。当時の人々はこのような現象についての知識を持っておらず、被害を予防・軽減するための方策はとりようがなかった。
---Wiki
同位元素とも言う。
同位体には放射能を持つ
放射性同位体 (Radioisotope) と持たない安定同位体 (Stable Isotope) の2種類が存在する。同位体、すなわち放射性物質、と短絡的なイメージが持たれる場合もあるが、これは誤りである。放射性同位体は時間とともに電子・陽子・中性子を放出して原子番号が変わってゆく(
放射性崩壊)が、安定同位体は自然界で一定の割合をもって安定に存在している。
同位体の表記は、核種の表記と同様に、元素名に続けて質量数を示すか、元素記号の左肩に質量を付記し、例えば炭素14あるいは
14C のように表す。ただし
水素の同位体に限り、固有の記号で表される核種もある。
重水素 (
2H Deuterium) は D または d、
三重水素 (
3H Tritium) は Tである。例として
重水の化学式は D
2O と表す。
ある
元素の同位体(例えば、
12Cと
13C)の電子状態はほぼ同じであり、化学的性質は似ている。質量数の違いは、結合、あるいは解離反応の速度の違いにあらわれる(詳しくは
速度論的同位体効果を参照)。特に、軽水素と重水素、そして三重水素では、質量が2倍差、3倍差となるために、軽水と重水のような顕著な物性差として現れることもある。
化学的性質がほとんど同じである同位体であっても、原子核の性質は異なる。例えば、原子核の核
スピンの値や、中性子吸収断面積は同位体により大きく異なる。
安定同位体種が最も多い元素は
スズで、10種類ある。最重安定同位体は
鉛208である。21世紀初頭までは
ビスマス209が最重安定同位体と考えられていた。
同位体比 [編集]
同位体の存在比を同位体比という。(質量比では無い。)
この同位体比は、放射性物質の影響および同位体効果を除くと、
太陽系内の安定同位体の存在比(同位体比)は極めて一様である。これは太陽系誕生時に、物質が高温で熱せられ拡散したことにより、それ以前に各物質が保有していた固有の同位体比が平均化されたためと考えられている。
しかし、太陽系内の天然物であっても
パーミルのオーダー(0.1%=1‰)では同位体比は異なる。その同位体比の差異には、その試料の起源や、同位体効果による変遷が反映されている。
そのため、精密な同位体比の測定は、その試料の起源、変遷を探る上で重要な役割を果たし、
地球惑星科学などで広く活用されている。
また、単に天然物を測定するだけでなく、人工的に同位体比に大きな差異を持たせた水などの化合物を、生体や環境、あるいは工学部材に指標として投入し、同位体比の経時変化等を測定することにより、物質の動態を調べる研究に応用されている。
同位体の製造 [編集]
同位体の製造は、核合成により直接合成する方法と、同位体を天然中の物質から分離する方法(同位体分離)で行われる。特にkg単位以上で同位体を製造する場合は、同位体分離で行われる事がほとんどである。
同位体分離は、同位体の蒸気圧などの微小な物性差や質量差を利用して行われる。同位体分離には、
蒸留分離、
拡散分離、
遠心分離、
レーザー分離といった方法がある。水素は最も大きく
速度論的同位体効果が現れる為に重水素を濃縮する場合は、水の電気分解の速度差が利用されている。
日本国内ではホウ素10、ホウ素11、炭素13、窒素15、酸素18が民間企業(
東京ガス、
SIサイエンス、
大陽日酸など)において製造されている。また、
大塚製薬は米国の大手安定同位体メーカーであるケンブリッジ・アイソトープ・ラボラトリーズを完全子会社化しており、同社製の安定同位体も日本国内に輸入・流通している。
- 炭素13の製造
- 日本国内では東京ガスが製造している。原料はLNGであり、最終製品は13Cメタンである。
- 窒素15の製造
- 日本国内ではSIサイエンスが製造している。原料は硝酸で、N-15濃度99.9%以上まで濃縮している。最終製品としてアンモニウム塩、硝酸塩、尿素などである。
- 酸素18の製造
- 日本国内では大陽日酸が酸素18を製造している。酸素の主要同位体核種は16Oであるが、深冷での蒸留技術を応用することにより、同位体同士の微小な蒸気圧差を利用し、工業用酸素ガスから18Oを分離している。そこで分離された18O2ガスを水素ガスと反応させることにより、水-18Oを最終製品として製造している。その水-18Oは下記のPET診断用として主に利用されている。[1]
同位体標識化合物 [編集]
製造された各同位体は、用途に合わせて目的化合物に取り入れて利用する。このことを、同位体標識といい、同位体標識された化合物を同位体標識化合物(正式には同位元素標識化合物)という。一般的には、単に「マークする」とか、化合物を称してマーカーと呼ぶことも多い。
同位体標識化合物の名称は、化学名の後に、標識部位、標識核種名が続く。例えば、化学式
13CH
3COOHの酢酸は酢酸-2-
13Cとなり、化学式CH
13COOHの酢酸は酢酸-1-
13Cと、化学式
13CH
313COOHで部位の特定が必要ない場合は、酢酸-
13C
2と表される。また、同位体標識化合物ごとの
CAS登録番号も存在する。
同位体標識化合物の合成は、特にその分子の一部分の原子だけを標識する場合、その化学合成による標識は非常に困難である。
利用方法 [編集]
- ポジトロン断層法(PET診断)
- ガン診断に用いられるポジトロン断層法の試薬には、放射性同位体フッ素18(半減期約108分)で標識した18F-FDGが用いられている。またその原料として、酸素の安定同位体、酸素18原子で標識した水-18O (H218O) が製造されている。
- NMR構造解析
- 同一原子であっても同位体核種により核スピンが異なる。このことを利用して、高分子のタンパク質のNMR構造解析には、安定同位体で標識したアミノ酸や溶媒の利用が欠かせない。重水素、炭素13、窒素15などの安定同位体が用いられている。
- 地球惑星科学
- 前述の通り、地球惑星科学の研究分野では、物質の同位体比を質量分析器で測定する事により、物質の起源、変遷の解析や、年代測定を行う事ができる。そこから、地球の古環境やマントルなどの地球深部の物質の移動などが解き明かされてきた。また極微量ながら、保持する希ガスなどの同位体比が太陽系物質ではありえない粒子が、原始的な隕石から発見されている[2]。その同位体比から超新星爆発や赤色巨星星周など太陽系外に起源を持ち、原始太陽系の高温時代を生き残った粒子だと考えられている。
- また、太陽系の小惑星帯よりも外側で活動する惑星探査機では、太陽電池では電力が不足するという理由で原子力電池として利用される。これは放射性核種の原子核崩壊の際に発生するエネルギーを熱源として熱電変換素子により電力に変換する仕組みである。
- 代謝測定
- 重水、水-18Oあるいは13Cで標識した試薬を生体内に投入すると、生体内で代謝が進むことにより、呼気や尿などから13C、18O、重水素(D)を天然存在比よりも多く含んだ二酸化炭素や水分などが採取できる。この採取した物質の同位体比を測定する事により、生体内の代謝状況を解析できる。この安定同位体を用いた代謝測定の技術は、胃内にその存在の有無が確認できるピロリ菌の呼気検査や、エネルギー代謝測定が不可欠な肥満科学やスポーツ科学などに利用されている。
- 同様に、炭素の放射性同位体で生成した二酸化炭素をマーカーとして代謝測定することは、動物のみならず、植物の光合成に関する試験等でも用いられる。
- ホウ素中性子捕捉療法 (BNCT)
- ホウ素の同位体10Bの原子核に中性子を照射すると、核反応により高エネルギーのリチウムの同位体7Li原子核とヘリウム4He原子核を放出する。そこで、このホウ素10を特定の化合物に標識しガン細胞に選択的に取り込ませると、ガン細胞を選択的に中性子照射により破壊することができる。このガン治療法をホウ素中性子捕捉療法 (Boron Neutron Capture Therapy, BNCT) といい、日本国内では京都大学原子炉実験所[3]、武蔵工業大学原子力研究所[4]、日本原子力研究開発機構の3箇所で実施できる施設があったが、現在(2007年段階で)は京都大学と日本原子力研究開発機構の2箇所にこの治療法が行える原子炉が存在する。BNCTの課題として、中性子源に原子炉が必要ということで、汎用性に乏しかったが、NEDO-PJに参加する京都大学・森義治教授が、原子炉を使わずに中性子線を発生する小型加速器(百平方メートル程度の大きさ)のアイデアを2006年イタリアで開かれた国際学会で発表。[5][6][7]
同位体の入手方法 [編集]
- 安定同位体
- 日本国内での、安定同位体および安定同位体標識化合物で市販されているものは、一般試薬と同等の法規で入手可能である。
- 放射性同位体
- 日本国内での、放射性同位体および放射性同位体標識化合物は、民間企業から販売されているものもある。ただし、購入者に専用の施設および資格の保有が必要な場合がある。
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