電子書籍サービス Google Editions は米国で年内開始、数十万冊とりあつかい
Googleが電子書籍サービス Google Editions を年内にも開始すると、Wall Street Journalが報じています。同社マネジメントディレクターのScott Dougall氏が答えたもので、まずは米国内で展開し、その他の国では来年の第1四半期に開始する予定とのこと。Googleは7月の東京国際ブックフェアに出展していたこともあり、日本においても早期展開が期待されています。
Google Editions構想は今年はじめのデジタルブックワールドカンファレンスで明らかになり、夏ごろにも開始というふれこみでしたが、コンテンツビジネスにありがちな「プロジェクトの複雑性のため」(Dougall氏)に計画が遅れ、続報も途絶えがちでした。しかし年内といえば「まもなく」も同然。何度目かの電子書籍ブームで盛り上がる今日この頃、いよいよGoogleのターンがはじまりそうです。
電子書籍事業では後発となるGoogle Editionsの他にない特長は「オープン」な「どこでも読める」モデルを展開すること。購入した書籍はGoogleアカウントに紐づけられ、基本的にはウェブブラウザ経由で読むことになります。このためPC、スマートフォン、タブレットといった端末の種類を問わず、マルチプラットフォームで閲覧することが可能。電子書籍自身もGoogle本家のストアが提供するだけでなく、出版社などが独自ストアを展開したり、他の電子書籍ストアが相乗りしたりという形で、Google Edition用に販売することが可能となっています。
記事によれば、すでにGoogleは多数の大手出版社との契約をとりつけており、同社エンジニアのJames Crawford氏いわく「ローンチ時か、そのすぐあとには」AmazonやBarnes & Nobleといったライバルと同程度となる数十万タイトルを、同じような価格設定で取り揃える予定です。さらにコンテンツの拡充という意味では、こうしている今も書籍のスキャンを淡々と進めているGoogle ブックスとの連携も、当然ながら予想されるところです。
争点となりそうなのは、コンテンツ提供側の分配がどうなるかです。かたやAmazonは、取り分を増加を餌に他プラットフォームへの展開を制限しようと目論んでいます。どの陣営についていけば幸せになれるのか。出版社も作家も読者も、紙の時代とは違った悩みを抱えることになりそうです。