野生のイルカの里は?
私たちは、震えながら、頭上を通り過ぎる星を一晩じゅう眺めた。正体不明の奇妙な音が、ゴトン、ゴトンと聞こえた。後になって、それは、カンガルーが立てた音だと分かった。小さくて奇妙な有袋類が、這いまわりながら、私の背中で暖を取る夢を見た。私は目が覚めても、夢か現かの区別ができなかった。
夜が明けたとき、辺りの景色はあまりにも鮮やかで、現実離れして見えた。点在する野花の中で、ピンク色のインコの群れがエサをついばんでいた。華やかな薄ピンク色のオウムもいた。
さまざまな大きさや形をしたアリが、私たちの体や、荷物の上や、周囲を這いまわっている。見慣れない鳥が、茂みの中で跳ねまわっていて、鳴きながら、玉虫色の青と黄色の姿を見せびらかしている。
片側には、薄緑色の茂みがあり、反対側には、アカシアの茂みがあった。錆色のアカシアの花びらには、黄色の斑点がついている。輝く朝の陽光の中で、茂みの緑とアカシアの色が対比している。
景色があまりにも美しくて不可思議だったので、私は地球以外の惑星で目が覚めた気がした。
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