4/20/2011
平家物語・序
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AUTHOR: AO
TITLE: 平家物語の序
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CATEGORY: アート & サイエンス
DATE: 12/09/2006 10:17:41 AM
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杜甫の詩もすごいけど、平家物語の序も勝るとも劣らない。
平家巻第一
- 祇園精舎鐘聲 諸行無常響有 沙羅雙樹之花之色 盛者必衰之理顕 奢れる人も不久 只春夜如夢 猛者終亡ぬ 偏風之前塵同
遠異朝訪秦趙高漢王莽梁周異唐禄山此等皆舊主先王政不随樂極諌不思入天下之亂事不悟民間之愁所知士歟者不久亡者也
近く窺本朝承平將門天慶純友康和義親平冶之信頼奢心猛事取々社有士歟共親六波羅之入道前太政大臣平朝臣清盛公申人之消息傅承社心言(以下略)- 訓読: 祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響有り。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を顕す。奢れる人も久しからず、只春の夜の夢の如し、猛き者も終には亡ぬ、偏に風の前の塵に同じ。
遠く異朝を訪へば、秦の趙高、漢の王莽、梁の周異、唐の禄山、此れ等は皆、旧主先王の政にも随わず、楽を極め、諫をも思い入れず、天下の乱む事を悟らず、民間之愁る所を知ざり士歟者(しかば)、久しからず亡びし者ども也。
近く本朝を窺うに、承平の将門、天慶の純友、康和の義親、平冶の信頼、奢れる心も、猛き事も、取々に社(こそ)有り士歟共(しかども)、親(まぢかく)は六波羅之入道前の太政大臣平朝臣清盛公と申せし人の消息、伝え承る社(こそ)心も言も。
- 訓読: 祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響有り。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を顕す。奢れる人も久しからず、只春の夜の夢の如し、猛き者も終には亡ぬ、偏に風の前の塵に同じ。
春望
原文 書き下し文 訳
國破山河在 国破れて山河在り 国家(唐の国都当時は長安)は崩壊してしまったが、山や河は変わらず、
城春草木深 城春にして草木深し 城内(長安)では春が訪れ草木が青く茂っている。
感時花濺涙 時に感じては花にも涙を濺ぎ 時世(戦乱の時期)の悲しみを感じては花を見ても涙がこぼれおち、
恨別鳥驚心 別れを恨んで鳥にも心を驚かす 家族との別れをうらめしく思っては鳥の鳴き声にすら心を痛ませる。
烽火連三月 烽火 三月に連なり 幾月[※ 1]が経ってものろし火(安禄山の乱による戦火)は消えることはなく、
家書抵萬金 家書 万金に抵る 家族からの手紙は万金にも値する。
白頭掻更短 白頭掻けば更に短く (心が痛んで)白い頭を掻けば掻くほど抜け落ち、
渾欲不勝簪 渾て簪に勝えざらんと欲す まったくかんざしをさすのもたえかねそうだ。
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