生き残りのもうひとつのカギは?
汚染に強い遺伝子? なのかな?
ずいぶん前に、新聞で報告された。極度にPCB汚染された魚が発見された。
1980年代は、環境問題に関する話題が放送されていた。
いつの間にか、そのような放送や報道がなくなった・・・
意図的なのかな?
環境ホルモンが話題になって、ずいぶんトキが経った・・・
アメリカのワニのペニスが小さくなって、生殖不能・・・
南米では、小学生の7歳くらいの女の子が妊娠した・・・
1980年代・・・
最近の女子のパワーアップを見ていると、環境ホルモンの影響が十分に考えられる・・・
クジラの大量死・・・
クジラの音認知システムが誤動作している?
汚染の影響なのかな?
イルカもクジラの仲間です・・・
釣り糸が絡まったイルカはピグレットが初めてではなかった。たくさんの人が桟橋で魚釣りをしていて、釣り糸がたくさん浮いている。子はとくに無防備で、好奇心が旺盛で、何にでも興味を持ち、危険もあまり知らない。それでも、シャーク湾のイルカは幸運な方だった。ナイロン製の釣り糸や、魚網や、釣り針でイルカが被る被害は、他の場所と比べればかなり少なかった。
この問題は大きいので、統計情報の分析は大変だった。毎年、毎日、毎分、漁業の影響で何頭のイルカが死んでいるかの情報が、漁業関係から一部公開されている。マグロと行動を共にするイルカも包囲して、マグロ漁をする。二、三年前になって初めて、新たな規制と技術が導入されて、イルカの致死率が下がった。IATTC(全米熱帯マグロ類委員会)は、毎年殺されるイルカの数は十万を超えていると見積もった。現在でさえ、マグロ漁によって殺されるイルカは、年間で三千から五千頭と見積もられている。ツナ・サンドを提供するために、ニッキー、パック、ホーリフィン、サプライズ、スクウェア、スクウェアレット、スナッブノーズ、ビビ、シックルフィンなどのように、賢いイルカが数千頭殺されている。
マグロ漁は脅威のひとつでしかなく、漁船は、全世界で年間二千七百万トンの獲物ではない海洋生物を、引き揚げて投棄しているようだ。「混獲」にはイルカや海洋性の哺乳類も含まれていて、全捕獲高の約四分の一になる。イルカは短繊維のプラスティック製の頑丈な魚網で、トラブルに巻き込まれる。海や川に関わらず、イルカは混獲されているし、イルカにとっての危険は人だけではない。イルカを食用として捕獲する地域もあり、チリ沖では最近まで、イルカをカニのエサとして使っていた。エサの魚類が乱獲されたことが原因で、イルカの生息数が減っている。中でも、川イルカは大きな危機に瀕している。世界中の大河の多くで水力発電が行なわれている。そのために、イルカは河を通り抜けられない。中国の揚子江(長江)もこれに該当する。ダムや、たくさん往来する舟や、漁業や、汚染が原因で、揚子江に生息するバイジ・イルカ(ヨウスコウカワイルカ)の生息数が減っている。現時点で生き残っているヨウスコウカワイルカは百頭以下だと言われている(二〇〇七年時点で千二百頭ほど確認されているらしい)。ヨウスコウカワイルカの未来は実に厳しい。
汚染は気づかないうちに進むことが多い。世界中のイルカにとって、最大の脅威は汚染だ。イルカは食物連鎖の最上位に位置していて、生物濃縮された汚染物質を摂取する。小さな生き物、つまり、小さな魚が汚染物質(DDTやPCBなど)を食べて、組織に蓄積する。大きな魚は汚染された小さな魚を食べる。結果として、小さな魚が蓄えた汚染物質を体内に取り込む。そして、さらに大きな魚がその大きな魚を食べる。こうして汚染物質が蓄積される。汚染物資を蓄積した魚をたくさん食べれば、人にとっても危険だ。
イルカなどの海洋性哺乳類の組織が、有機塩素化合物で高レベル汚染されていることが分かった。この汚染物質は内分泌システムや、免疫システムを害して認知発達障害を引き起こす。さらに悪いことに、汚染は授乳により、世代から世代へと伝わる。有機塩素化合物は脂肪に溶けるので、母が体脂肪を代謝して乳を造ると、この汚染物質が乳に混入する。そのために、赤ん坊は成長して自分でエサを捕る以前に、つまり、生まれてからすぐに、汚染物質の影響を受ける。その結果、汚染物質は世代から世代へと、幾何級数的に蓄積される。オゾンの減少や、二酸化炭素の排出や、森林の減少などが原因で起こる気候変動は、イルカなどの海洋性の哺乳類にとっても脅威だ。くわえて、気候変動がどのような影響を及ぼすかを、正確に予測するのは難しい。だが、イルカを含むすべてのエコシステムは、確実に、気温の上昇、塩分の濃度の低下、海面の上昇などの影響を受けている。
シャーク湾はアメリカからもっとも遠い地域のひとつで、浜は比較的すいていて、空気や水はきれいだ。シャーク湾でさえ、汚染の警鐘が鳴り始めた。一九八九年二月、アメリカに一時的帰国しているとき、モンキー・マイアのリチャードから電話が来た。リチャードが「悪い知らせがある」と言ったとき、声のトーンから、イルカが死んだと私は感じた。
「何かあったの」
と私は尋ねた。
「スナッブノーズとビビとシックルフィンが死んだようだ」
「どういうことなの。死んだって」
「ここ一週間くらい、モンキー・マイアでも沖でも見あたらない。死んだ可能性がある。さもなければ、浅瀬に来るはずだ」
オスのイルカが三頭も死んだ。私は愕然として受話器を置いた。このオスたちから、いろいろなことを学んだので、彼らがモンキー・マイアから消えたことは、想像すらできなかった。
一日かそこらして、リチャードから電話がきたが、そのときのショックは、さらに大きかった。
「レイチェル、ホーリーも死んだよ・・・ニッパーも(ニッキーの最初の子)」
と声が重苦しく震えた。
大人のオスであれば、しばらくどこかへ行っているだけで、戻ってくる希望は持てる。でも、ホーリーや幼子はたぶんダメだろう。小さすぎるので、自力では戻れない。私たちのイルカは死につつあった。
ホーリーの死はもっとも受け入れがたかった。ホーリーと私は長い間楽しい時間を共にした。ホーリーの小さな魂は活き活きと輝いていたので、私はホーリーの死を受け入れられなかった。ホーリーはまだ若くて、これから興味にあふれた長い生涯を送るはずだったのに、その成長を見届けられなかった。ホーリーが子を設けて母になり、年老いていく生涯を見届けられなかった。ホーリーと海草ゲームをしたり泳いだりすることは、もう二度とできない。
イルカたちの死因は汚染だった。その年は、環境が急激に悪化した。その前年、急増する観光客用のトイレが新設された。満潮の水準線から高さ六十センチ程度の場所に、汚水処理槽が設置された。トイレがひんぱんに使用されて、汚水が処理槽から湾内へ流れ込んだ。水質試験の結果、海岸付近は高レベルでバクテリアに汚染されていた。イルカの死は汚染と無関係だという説もあったが、実際は、死と汚染は無関係ではなかった。イルカ好きたちの排泄物が、文字通りイルカを毒したのは悲しいアイロニーだ。ウイルフとヘイゼルのキャンプが最新のリゾートに変わって、イルカは死んだ。餌づけ場所を規制するように、ウイルフとヘイゼルと激しく争ったし、イルカの健康のために、重要な規制も行なうように戦い続けた。私はモンキー・マイアの開発には初めから恐れを抱いていた。イルカは観光の呼び物なので、新しい管理体制にはイルカの保護策が取り入れられた。イルカが健康状態を保って元気な姿で、モンキー・マイアにやってくることに、人びとは大きな関心を寄せていた。
私たちはさまざまな提案をした。エサ、エサの与え方、イルカとの接触の仕方、沿岸でのボートの速度規制、海へ流出する農薬、化学肥料の制限、継続的な水質検査、ジェットスキーやセールボードなどのレンタル機器の制限などだ。セールボードは強風下では時速百キロを超えて、音もあまり出ないために、休んでいるイルカや、幼いイルカがたびたび衝突する。他の地域でも、イルカとセールボードが混在しているために衝突している。
私たちは長年かけて、モンキー・マイアの子の致死率に関するデータを蓄積した。モンキー・マイアに来ないイルカに比べると、モンキー・マイアのイルカは致死率がかなり高いことが判明した。モンキー・マイアの子は、野生の行動を身につけていないので憂慮された。母と時間の大半を過ごして、人からエサをもらうだけで、野生の中で自力でエサを捕らない。
私がモンキー・マイアで自由気ままに過ごした日々が過ぎ去って久しい。今や、観光地とイルカは「管理された資源」になった。モンキー・マイアはイルカを見て、イルカにエサを与えて触り、イルカの写真を撮るための観光地になってしまった。フルタイムの従業員が、観光客を管理して通訳して質問に答える。
私はこの変化はある意味で悲しかったが、逆に多くの人がイルカに関心を持つので励ましにもなった。イルカへの興味が高まって、シャーク湾へ人が流れ込み、人びとはイルカの保護に大きな関心を寄せるようになった。
私は長年にわたり断続的にイルカと会っていたが、会うのは当然だと考えていた。たくさんの観光客が海に入って、イルカと触れ合ったが、私は一歩下がって、時々感動的な光景を目にした。初めてホーリフィンと触れ合ったことを思い出す。手に伝わるホーリフィンの温もりは衝撃だった。夫が目の見えない年老いた妻の手を引いて、妻がパックのわき腹に触って浮かべる喜びの表情を見ることこそが、私の夢だ。人びとがイルカを学び、人びとの心に、イルカに対する興味や関心の火を灯すには、どうすれば良いのだろうか。
私は野生のイルカとの触れ合いは、素晴らしいと確信している。プールで飼育されたイルカは、訓練されていて、お決まりの行動を取る。だが、それはイルカの率直な気持ちではないだろう。モンキー・マイアでは、人が海に入って、イルカの本来の住みかとの中間点で、イルカと触れ合える。イルカの人なつっこい表情にも出会うが、同時にイルカはよそよそしくもある。これはイルカの野生を物語っていて、単に人を喜ばせる以上に、興味深い生きざまを見せる。だが、イルカの生きざまは、ほとんどの場合は人の都合に左右されない。
私は今、本書を書きながら、世界の指導者たちに海を保護するように促す
「イヤー・オブ・ザ・オーシャン」
を祝っている。
科学者や、政策立案者や、市民など数百名が署名し請願して、イヤー・オブ・ザ・オーシャンを開始した。私たちの惑星の心臓と肺である海が、死につつあることを示す厳粛で不吉な文書だ。イルカは絶滅しつつある生き物のひとつでしかない。
私たちは、自分が認識できることだけに気を使いがちだ。しかし、私は以下のように望む。モンキー・マイアのイルカは、生きざまや個性を人と分かち合い、人と触れ合ってきた。イルカは、魚類やマナティーなどの近親の動物の保護にまで影響を及ぼしている。私たちが海を救う行動を起こさなければ、さんご礁、タイなどの魚類、マナティー、エイ、人類の健全な未来のために、今、生きているニッキー、パック、サプライズとその子どもたちが、私たちに海を救う気持ちを抱かせるはずだ。人と触れ合うモンキー・マイアの伝統に従って。
「ここにはもう3、4時間います。専門家の指示を仰いだりクジラの体を湿らせて安心させるようにしています」(ボランティア)
ニュージーランド北島のコーラマンデル半島では27日、170頭近いクジラが打ち上げられました。
クジラの体が乾燥しないよう濡れたシーツでくるむなど、ボランティアや専門家らによる懸命の救助ののち、翌朝には43頭が海に戻りましたが、125頭が死にました。
専門家はクジラの音波探知の機能が何らかの原因で失われ浅瀬に迷い込み、抜け出せなくなったことなどが原因ではないかとみています。
一方、ニュージーランドの南島では26日、岸に打ち上げられたヒレナガゴンドウクジラ105頭が死にました。
上空を飛んでいた小型機のパイロットが打ち上げられているのを発見し通報しましたが、自然保護局のスタッフが現場に到着したときには30頭の生存が確認されただけで、残りの105頭は死んでいたということです。
ニュージーランドでは毎年夏、繁殖のため南極海から移動する大量のクジラが岸で座礁するケースが報告されていますが、詳しい原因は分かっていないということです。(29日01:08)(削減)
0 件のコメント:
コメントを投稿