複雑系システム、非線形システムなどのモデリングには重要なコンセプトである・・・
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NP完全問題とは、NPの任意の問題から多項式時間多対一還元可能であり、かつ、NPに属する問題である。これと異なり、NP困難である問題はNPに属するとは限らない。PやNPは決定問題のクラスなので、NP完全もまた決定問題に限られるが、NP困難には決定問題、検索問題(en)、最適化問題など様々な問題が属しうる。
- 問題 H は少なくとも L と同等以上に難しい。なぜなら H を用いて L を解けるからである。
- L はNP完全であり、NPの中では最も難しいので、問題 H は少なくともNPと同等以上に難しい。しかし H はNPに属している必要はなく、したがって決定問題ではなくても良い。
- NP完全問題同士は互いに多項式時間多対一還元(別称:多項式変換とも)可能なので、すべてのNP完全問題は H に還元して多項式時間で解ける。したがってNPに属する全ての問題も H に還元できる。ただし、ここでは二種類の変換を組み合わせていることに注意が必要。NP完全に属する決定問題をNP完全な問題 L に帰着する際は多項式変換であり、L を H に変換する際は多項式時間チューリング還元である。
- もし最適化問題 H の特殊例としてNP完全な決定問題 L を考えられるなら、H はNP困難である。
- もし H がたまたまNPに属すなら、H はNP完全。なぜならこの場合多項式時間チューリング還元が多項式変換の要件を満たすので。[1]
P≠NP予想との関係 [編集]
NP困難な問題の例 [編集]
- 停止問題 - NP困難だがNP完全ではない決定問題。NP困難であることは、例えば充足可能性問題を停止問題に容易に還元できることから言える(充足できる解を見付けたら停止し、そうでない場合は無限ループするようなチューリングマシンの停止問題を考えればよい)。NP完全でないことは、NPに属する問題は全て有限の手続きで決定可能だが、停止問題は一般には決定不可能であることによる。ただし、NP困難でありかつNP完全でない問題の全てが決定不可能というわけではない。例えばTQBF問題(en)はPSPACEで決定可能だが、多分NPではない。
- 巡回セールスマン問題 - 最適化問題。
- ハミルトン閉路問題 - 巡回セールスマン問題の特殊ケース。NP困難かつNP完全な決定問題。
- ナップサック問題 - 最適化問題。
- 部分和問題 - ナップサック問題の特殊ケース。NP困難かつNP完全な決定問題。
- 最小頂点被覆問題
- 最大独立集合問題
- 最大クリーク問題
別定義 [編集]
NP関連クラスの命名規約について [編集]
- NP完全
- NPの中では「完全」な問題を意味する。つまりNPの中では最も解くのが難しい。
- NP困難
- 「少なくとも」NPと同等以上に難しい問題(ただし、NPに属するとは限らない)。
- NP-easy
- 「たかだか」NPと同等以下しか難しくない問題(ただし、NPに属するとは限らない)。
- NP-equivalent
- NPと同等に難しい問題(ただし、NPに属するとは限らない)。
関連項目 [編集]
ミレニアム懸賞問題 | |
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P≠NP予想 - ホッジ予想 - ポアンカレ予想 - リーマン予想 - ヤン-ミルズ方程式と質量ギャップ問題 - ナビエ-ストークス方程式の解の存在と滑らかさ - バーチ・スウィンナートン=ダイアー予想 |
ζ(s) の自明でない零点sは、全て実部が1/2の直線上に存在する。
リーマン予想の歴史 [編集]
- 1859年にリーマンは論文「与えられた数より小さい素数の個数について」を発表し、その中でリーマン予想を提示した。リーマン自身はその証明を試みて成功しなかったことを認めているが中間的な結果としてゼータ関数の自明でない零点の実数部が1/2について対称であり、かつ0から1の間(境界を含む)にしか存在しないことを示していた。
- 1896年にド・ラ・ヴァレ・プーサンとアダマールが独立に素数定理を証明したが、それはゼータ関数の自明でない零点の実数部が1になりえないことの証明によるものだった。よって自明でない零点の実数部の範囲は、境界を含まないところまで狭められた。
- 1900年にパリで開かれた第2回国際数学者会議でヒルベルトは数学上の未解決の問題23題(ヒルベルトの23の問題)を提起した。リーマン予想はこの内、素数の分布に関する8番目の問題に含まれている。
- 1914年、ハーディとリトルウッドは Re(s) = 1/2 上に零点が無限に存在することを示した。
- 1972年、ヒュー・モンゴメリーと物理学者フリーマン・ダイソンが、ゼータ関数上の零点の分布の数式が、原子核のエネルギー間隔を表す式と一致する事を示し、素数と核物理現象との関連性が示唆された。以降物理学者も含めてリーマン予想の研究が活発化する。
- 1996年、シアトルで第一回世界リーマン予想会議が開催される。この中でアラン・コンヌが素数問題と非可換幾何との関係性を示した。
- 2000年にクレイ数学研究所 (Clay Mathematics Institute) はリーマン予想の証明を含む数学の未解決問題7問に対してそれぞれ100万ドルの賞金をかけた(ミレニアム懸賞問題)。
- 2004年6月に米パデュー大学の数学者ルイ・ド・ブランジュ(英語)がリーマン予想を証明したと発表した[4]。しかし彼は既に幾度も証明を主張し反証されており[5]、今回も同様の手法をとっているため見込みは薄いと考えられている。
- 2009年、ド・ブランジュが再度リーマン予想の証明を発表(4度目)。この様子を追ったドキュメンタリーがNHKによって放送された[6]。
- 十分大きな任意のxに対し、
が成り立つような定数 C が存在すること[7]。ここに li(x) は対数積分を表す。これは
と表現しても同じことである。ただし、O はランダウの記号である。 - 自然数 n の正の約数の和を σ(n)(約数関数)表すとき、n > 5040に対して
が成り立つこと[8]。ここにγはオイラー定数を表す。 - 任意の自然数nに対して
が成り立つこと[9]。ここにHnはn番目の調和数、すなわち
で定義される有理数である。
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