そして、三菱ジェットにきぼうを繋ぐ・・・
それしかないよ・・・ 今の状態では・・・
<日航>撤退、苦しむ地方 通院の「足」危うく…北海道奥尻
HAC機に乗り込む車椅子の乗客=北海道奥尻町の奥尻空港で、山本明彦撮影 |
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北海道函館市の北西約100キロにある奥尻島。奥尻空港では、体の不自由な高齢者が通院のため車椅子で函館行きのプロペラ機(36人乗り)に乗り込む姿が珍しくない。定期便は、日航の子会社「北海道エアシステム(HAC)」が函館間を1日1往復するだけだ。
しかし、日航は、年内にもHACへの出資比率を51%(49%は道が出資)から15%未満に引き下げ、日航グループとしては奥尻-函館便は運航せず、路線の維持の判断も含めたHACの経営は地元自治体などに委ねることを決めた。
「函館の空路がなくなったら、困るねえ」。奥尻島の70歳代の主婦がつぶやいた。ひざの痛みの治療のため1~2カ月おきに函館の病院に通う。空路なら約30分だが、フェリーと鉄道、バスを乗り継ぐと4~5時間かかり、乗り換えがつらい。奥尻町の杉山静治・政策推進係長は「乗客の多くは、函館や札幌の病院に行く高齢者。高齢化の進む島には不可欠な路線だ」と話す。
島で唯一の病院の町国民健康保険病院は常勤医師が2人。MRI(磁気共鳴画像化装置)などはなく、1~2カ月ごとに札幌や東京から専門医が来るが、柴田正副院長は「空路を失えば、招きにくい」と話す。
だが、地域経済の低迷でHACの業績は厳しい。道内7路線を運航するが、10年3月期の売上高は前期比9.6%減の21億3800万円、6700万円の最終赤字。赤字は5期連続で、赤字幅も前期の400万円から悪化した。とりわけ奥尻路線の赤字は07年度に4000万円超、08年度は1000万円超に上った模様だ。
道は奥尻路線を維持したい考えで、7月には、HACが就航する丘珠空港の地元・札幌市などに新たに出資を求める案を示した。新たな出資比率は道36%、札幌市18%、日航14.9%。札幌市は約1.5億円の出資を求められるが、「出資比率が日航を上回るのは理解できない」(市幹部)などと反発。財政難の中、経営リスクを負うのは避けたい考えで交渉は難航している。
函館市も奥尻などの路線存続を要望しているが、道も経営への積極関与には及び腰。8月に予定していた経営体制の確立も10月以降に持ち越しとなり、奥尻島では「最終的には路線がなくなるのでは」との不安が広がる。
◇地方撤退、10月末から本格化 自治体、負担増に
日航の地方路線撤退は10月1日の中部国際-仙台を皮切りに、10月末から本格化する。日航が既に撤退した路線も含めて、空の足を維持するため、自治体は新たな財政負担を迫られている。
5月末に日航が撤退した長野県営松本空港は、新興航空会社のフジドリームエアラインズ(FDA、静岡県)が6月から札幌、福岡の2路線を引き継ぎ、「定期便ゼロ」の事態は免れた。県はFDAに対し、空港カウンター整備やキャンペーンなどの支援策6149万円を計上し、10年度の空港関連事業費は前年度から倍増。約4200万円が見込まれる着陸料も免除する。
長野県がFDAを優遇するのは、定期便がなくなれば、松本空港の廃港が現実味を帯びるからだ。県交通政策課は「山岳遭難などの防災対策や雇用の受け皿として、空港は不可欠」と話す。ただ、松本空港の7月の利用率は、札幌便が84.7%と好調だった半面、福岡便は37.4%と低調。「札幌線は冬場に需要が落ち込む」(旅行代理店)可能性が高く、不安はくすぶる。
日航が来年3月までの全面撤退を表明した愛知県営名古屋空港(小牧空港)は、空港収入の約2割(約3億円)を日航の着陸料などに頼る。09年度は隣接する航空自衛隊小牧基地の利用が増え、中部国際空港開港時に県営化された05年度以来初めて黒字になったが、日航撤退で赤字に逆戻りしかねない。地元自治体は一部路線の存続を求めているが、困難な見通しだ。
大手航空会社は従来、羽田便で上げた収益で赤字路線を維持してきた。しかし、日航は赤字路線を抱える余裕はなくなり、破綻のツケが地方に及んできている。
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