アンダ-グラウンド (講談社文庫) [文庫]
村上 春樹 (著)
出版社/著者からの内容紹介
村上春樹が追う、地下鉄サリン事件。
迫真のノンフィクション、書き下ろし。
1995年3月20日、晴れ上がった初春の朝。まだ風は冷たく、道を行く人々はコートを着ている。昨日は日曜日、明日は春分の日でおやすみ──連休の谷間だ。あるいはあなたは「できたら今日くらいは休みたかったな」と考えているかもしれない。でも残念ながら休みはとれなかった。
あなたはいつもの時間に目を覚まし、洋服を着て駅に向かう。それは何の変哲もない朝だった。見分けのつかない、人生の中の一日だ……。
変装した五人の男たちが、グラインダーで尖らせた傘の先を、奇妙な液体の入ったビニールパックに突き立てるまでは……。
--このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。
内容(「BOOK」データベースより)
1995年3月20日の朝、東京の地下でほんとうに何が起こったのか。同年1月の阪神大震災につづいて日本中を震撼させたオウム真理教団による地下鉄サリン事件。この事件を境に日本人はどこへ行こうとしているのか、62人の関係者にインタビューを重ね、村上春樹が真相に迫るノンフィクション書き下ろし。
内容紹介
1949年にジョージ・オーウェルは、近未来小説としての『1984』を刊行した。
そして2009年、『1Q84』は逆の方向から1984年を描いた近過去小説である。
そこに描かれているのは「こうであったかもしれない」世界なのだ。
私たちが生きている現在が、「そうではなかったかもしれない」世界であるのと、ちょうど同じように。
Book 1
心から一歩も外に出ないものごとは、この世界にはない。心から外に出ないものごとは、そこに別の世界を作り上げていく。
Book 2
「こうであったかもしれない」過去が、その暗い鏡に浮かび上がらせるのは、「そうではなかったかもしれない」現在の姿だ。
内容(「BOOK」データベースより)
「こうであったかもしれない」過去が、その暗い鏡に浮かび上がらせるのは、「そうではなかったかもしれない」現在の姿だ。書き下ろし長編小説。
大阪高裁、小泉首相の靖国参拝に違憲判断
【2005年9月30日】
報道各社によると、30日、小泉純一郎首相の靖国神社参拝をめぐる裁判で、大阪高等裁判所の判決が下った。判決は、違憲判断を伴い、原告側の賠償請求を退けた、形式的には原告敗訴となるが、憲法判断に踏み込み、一部原告の主張を認めた形となった。
原告の請求した精神的苦痛に対する損害賠償請求は棄却されたが、大谷正治裁判長は、内閣総理大臣の参拝は政教分離原則に触れるとし、違憲判断を示した。日本経済新聞によると、「同種訴訟の高裁では初の違憲判断を示した」。同種の訴訟では、昨年4月の福岡地裁判決(確定)が違憲判断を示したものの、他の判決は憲法判断を行っていなかった。
裁判は、2001年から2003年にかけて3度にわたって小泉首相が靖国神社に参拝したことにより精神的苦痛を受けたとして、計188人の戦死者の遺族が、国と小泉首相、靖国神社に対してひとりあたり1万円の損害賠償を求めたもの。原告のうち116人は台湾人、ほかは日本人だった。
判決の骨子は次の通り
- 小泉首相の参拝は政治的な動機による。
- 公用車を使用し首相秘書官を伴っていた、小泉首相が私的参拝と明言しなかったことなどから、小泉首相の靖国神社参拝は内閣総理大臣としての職務としてなされたと認めるのが相当。
- 小泉首相の、国内外の強い批判にもかかわらず実行、継続された3度にわたる参拝は、一般人に対し国が靖国神社を特別に支援しているとの印象を与えている。特定の宗教を助長し、相当とされる限度を超えており、参拝は憲法20条3項の禁止する宗教的活動にあたる。
- 参拝で、原告らの信教の自由などを根拠とする権利、利益について強制や干渉、権利の侵害があったとは認められない。小泉首相、国、靖国神社の賠償責任を認めることはできない。
- 内閣総理大臣は、参拝が私的行為か公的行為かを明確にすべきだ。
同種の裁判では、ここ2ヶ月ほどの内に他に2回判決が出ており、7月26日の大阪高裁、大出晃之裁判長による判決では、今回と同様損害賠償請求は棄却されたが、憲法判断については踏み込まれていなかった。また、9月29日の東京高裁判決でも、7月26日と同様の判断が示されている。
小泉首相は、「分かりませんね。何で違憲なのか」と言い、今後靖国神社へ参拝するかどうかについての判断に影響を与えるかに関しては「いや、ないですね。勝訴でしょう」と語った。
朝日新聞によれば、細田官房長官は「今日の判決は大変遺憾だ。」と語った。自民党の奥野信亮衆院議員は「首相が参拝するのは当然だ。それがいまの憲法に反するというのなら、憲法の方を変えるべきだ」と話した。他の自民党の議員は、「あえて私人としての参拝を明確にしない首相の責任は重い」と述べた。
公明党の冬柴鉄三幹事長は「政治的判断として自粛すべきだ」と述べた。民主党の前原代表は、「憲法上の判断が出たわけだから、なおさら行くべきではない」「党としては無宗教の施設の議論を加速させたい」と述べた。共産党の佐々木憲昭衆議院議員・衆院国会対策副委員長は「判決は当然だと思う」と話した。
原告側弁護団事務局長の中島光孝弁護士は「結果は棄却だが、内容は相当踏み込んだ判断で、画期的な判決だ」と言った。台湾立法院議員の高金素梅さんは「関心があるのは、日本の反省、謝罪、賠償だ。そして、靖国神社に合祀されている祖先の霊を返してほしい」と語った。
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